「毒親」って、刺激的な言葉ですよね。
そのせいか、「親との関係に悩んでいる。でも毒親というほどではない気がする…」
そう思って、自分がおかしいのではと悩んだことはありませんか?
でも、そんな自分を責める必要はありません。
ではこれから親と、自分とどのように向き合えばいいのか、その方法をお話します。
「毒親」とはなにか

毒親とは、「子どもに悪い影響を与える親」のことです。
そう言われると、
・身体的・精神的・性的虐待
・ネグレクト(育児放棄)
・ギャンブル・アルコール依存症
こんな親の姿を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
ですが、多くの人は
・なに不自由なく育ててくれた
・旅行やお出かけにたくさん連れて行ってくれた
・大学まで出してくれて仕送りまでしてくれた
・仕事もできるし優しいところもある
こんなふうに、親とのよい思い出や“恩”があるという場合が大半です。
それでもなお、「親と離れたい」と思うのはなぜなのか?
それは「悪い影響を受けているから」です。
・都合が悪いと無視されたり愚痴を言われた
・話を聞いてくれなかった
・意見や価値観を押し付けられてきた
こういった些細なことで傷ついてきた経験はありませんか?
実は「毒親」の定義は、あってないようなもの。
なぜなら、毒親かどうかはあなた自身が感じることだからです。
もしあなたが傷ついていたのなら、その気持ちを大切にしていいんです。
無理に毒親だと当てはめる必要はありませんが、「離れたい」と思うのは決しておかしいことではありません。
誤魔化さず、自分の気持ちを受け止める

大切なのは、自分の気持ちをしっかり受け止めることです。
自分と向き合おうとすると、必ず邪魔をしてくるのが「罪悪感」。
先ほどあげたような良い思い出が蘇り、「自分が悪いんじゃないか…」と感じてしまう。
罪悪感のせいで、つらく悲しい気持ちが無かったことにされてしまうのです。

このままだと、つらい気持ちはあなたの中に残ったままです
難しいかもしれませんが、
親にしてもらってよかったことと、つらかったことは別々に考えてください。
考えるだけではなく、紙やスマホのメモに書いて可視化するのがおすすめです。
感情としっかりと向き合い、「そうだったね、つらかったね」とすべて受け止めてあげてください。
そうすれば、「親と距離を置いてみる」という一歩を踏み出せるようになります。
親と距離を置いて気づくこと

親と距離を置くと、こんなことに気付けるようになります。
・親の意見や価値観がすべて正しいわけではない
・世の中にはたくさんの価値観や選択肢がある
・もっと自分から行動していい
距離を置く最大のメリットは、自分自身に向き合う時間が増えること。
縛られていることから解放されると、パッと視界が開ける感覚になります。
同時に「長い間他人軸で生きてきた自分」に気付き、絶望を感じる人もいるかもしれません。
でもその痛みは今までの「我慢」や「生きづらさ」とは違います。
前進するための痛みです。
少しずつそのハードルを乗り越えていけば、自分の人生を生きられるようになります。
自分を責める必要はない

他の家庭の事情を知ることができないぶん、親子関係は難しいと思います。
子どもは自分の家庭で起こることがあたりまえだと思って生きています。
だからこそ親が絶対的に正しいと思ってしまうし、親も子どもをコントロールしてしまいがちです。
ですが、あなたが感じたことが全てです。自分を責めないでほしいと思います。
今まで十分我慢してきたのだから、これからは自分をいちばん大切にしてほしいと心から思います。
繰り返しになりますが、無理に「毒親」の枠に当てはめる必要はありません。
でも「あなたがつらく苦しかった事実」をしっかり受け止め、向き合わなければいけないと思います。
それは、これからのあなたの人生を守ることにつながりますよ。